発表前にまず出願 | 名工大 産学官金連携機構

Ⅰ. なぜ特許を出さなければならないか

1.「教育」と「研究」が大学の使命

2.さらに「社会貢献」がこれに加わる

3.大学教員による「社会貢献」とは、研究成果を社会に「秩序だった」還元をすること

(1)すなわち「産学官連携システム」として

①「技術移転」を行い
②「新産業創出」を促進すること

(2)「秩序だった」還元は特許等の知的財産権の有効活用を通じてのみ可能

①ロイヤリティー収入による研究の一層の推進
②「知的創造サイクル」の創出

特許を出さずにいると技術を全世界に無償公開したこととなり、誰でも自由に実施できるので、
一見よさそうにみえますが、第三者がその技術の周辺を開発し権利化し尽くして別の形の独占を図り、社会への正しい秩序だった還元をかえって阻害する可能性もあります。又、グローバルな競争の中で自国の競争力を低下させることにもなりかねません。

Ⅱ. 機関帰属

法人化前は大学関係者の発明は原則として個人に帰属していましたが、平成16年4月の国立大学法人化後は原則として大学に帰属することになりました。

Ⅲ.発表前にまず出願

1.学内外で発表してしまうと、発明が公知の状態となりますので、特許はとれなくなります。この場合、以下のような例外規定がありますが、この例外規定に頼ることは、特に優秀発明の場合には絶対にお薦めしません。

2.例外規定について次のような場合等は、該当日から1年以内に、その旨を示す所定の手続きを伴う出願をすれば、公知の状態にはならなかったとみなされます(特許法第30条※平成30年6月法改正)

第30条1項 特許を受ける権利を有する者の意に反して公知になった場合
第30条2項 特許を受ける権利を有する者の行為に起因して公知になった場合

<例>
①試験を行って公知になった
②刊行物に発表することにより公知になった
③研究集会において文書で発表したことにより公知になった

例外規定に頼ることをおすすめしない理由

① 発表で発明を知った第三者が、そのまま、又は改良を行って、本人より先に出願するおそれがあります。この場合、事実関係が大変むずかしく、特許がとれなくなると考えて下さい。

② 外国出願の際、通常は日本の出願日から1年の優先権期間が認められていますが、出願前発表の事実があると、新規性の判断基準日が国によって異なるので、特許がとれなくなるおそれがあります。(中国、ヨーロッパでは学会発表の例外規定は適用されません。)

  ③JSTによる外国出願支援が受けられません。